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王子の甘い罠
第5章 い
王子は感情のこもらない声で淡々と言った。
「そ、それならいいんです」
いつもの明るい爽やかなイメージからかけ離れた王子の雰囲気に
女の子たちは急いで廊下を駆けて行った。
「あ、ありがとう」
「いいえ。僕とすみれさんは恋人ではないですもんね。
事実を言ったまでです」
「・・・・」
「今日は定時であがって、そのまま渡仏するので
その前に、一目会いたいと思って来ましたが。
迷惑でしたか?」
感情のこもらない声で話し続ける。
「1週間、離れているのが幸いかもしれません。
昨日はすみれさんは僕が絶対にすみれさんを傷つけないと言ってくれましたが
今ここであなたを抱いたら、思いっきり傷つけそうだ。
1週間、頭を冷やしてきます」
「お。王子」
「すみれさんに近付けた、と思っていたのは僕の思い込みだったようです。
スミマセンでした。失礼します」
そう言ってわたしが止めるのも構わずに、歩き去った。
「そ、それならいいんです」
いつもの明るい爽やかなイメージからかけ離れた王子の雰囲気に
女の子たちは急いで廊下を駆けて行った。
「あ、ありがとう」
「いいえ。僕とすみれさんは恋人ではないですもんね。
事実を言ったまでです」
「・・・・」
「今日は定時であがって、そのまま渡仏するので
その前に、一目会いたいと思って来ましたが。
迷惑でしたか?」
感情のこもらない声で話し続ける。
「1週間、離れているのが幸いかもしれません。
昨日はすみれさんは僕が絶対にすみれさんを傷つけないと言ってくれましたが
今ここであなたを抱いたら、思いっきり傷つけそうだ。
1週間、頭を冷やしてきます」
「お。王子」
「すみれさんに近付けた、と思っていたのは僕の思い込みだったようです。
スミマセンでした。失礼します」
そう言ってわたしが止めるのも構わずに、歩き去った。