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第1章 　

「だから、お前が自分で決めや」




　リョンちゃんの手であろうが、テッちゃんの手であろうが、若しくは、まったく別の形であろうが。





「お前の望みを俺が叶えてやるんやから自分のクチで言えや。そんな目で俺を見つめる、その、クチんなかにある望みを言うてみろや。今すぐ俺の目の前で全部服を脱ぎたいんか？ちがうか？なら、俺にぶん殴られたうえで、全部脱がされたいんか？それか、これで目玉ブッ刺された上で、マンコにも俺のんをブッ込まれたいんか？痛いんかキモチイイんかわからん状態でよがりたいんか？若しくは全部されたうえで、俺に殺されたいんか？ほら、素直に言うてみろや」





　末路はみな、形がちがうだけで、同じことではないか。





「5秒以内に決めてクチに出しや。俺いらちやからそれ以上は待てん。出さん場合は俺が聞こえたようにするぞ。希望を通すなら今のうちや、ほら、俺は優しいやろ。まともな兄貴やろ」





　どのみちわたしは、生まれた時から、すべての生物がみなそうであるように、選択肢など持っていなかったのではないか。





　リョンちゃんの手の感触が首筋に蘇る。
　薄い血が滲む割れ目の奥の痛みはもう、なかった。
　というより思い出せなかった。




　イチ、ニ・・・