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負い目
第1章
「だからお母さんも、俺の本気がわかったから、これから女はおまえだけで堪忍してって言うたんやろなぁ。俺に土下座してさ。もうよそ様には手を出さんとってって。ネエサンには負い目があるから、おれをこんなんにしたんはワタシやから、だから責任とってどうだっていいオトコと一緒になってオンナノコを生んだって。俺が出てきたらよそ様に、つうかネエサンに?迷惑かけやんようにイモウトだけで堪忍してくれ、真面目に生きてくれって言うためにイモウトを俺のために生んだってさー。心外やんな?俺が望んでしてるわけでもないのに、まるで俺をキチガイみたいに扱うなんて。俺は誰彼構わず若い女をレイプしたいってワケじゃないのにな。俺はどっこもおかしくないし?もとはといえば自分が俺みたいなオトコにヤラれるような女やったんが原因のくせに人のせいにして」
今にも木から落ちて、アスファルトの上に転がりそうな、夏の終わりの。
「むしろ望みを叶えてやってんのにな。さっき言うたとおり、俺は、なんもおかしないねんで。おかしいのは、俺を呼ぶおまえらのほうや」
ツガイになって繁殖して子孫繁栄を本能的に試みることを目的として生まれてきた、どの生物だって辿る末路と似たようなかたちの、その声が。
今にも木から落ちて、アスファルトの上に転がりそうな、夏の終わりの。
「むしろ望みを叶えてやってんのにな。さっき言うたとおり、俺は、なんもおかしないねんで。おかしいのは、俺を呼ぶおまえらのほうや」
ツガイになって繁殖して子孫繁栄を本能的に試みることを目的として生まれてきた、どの生物だって辿る末路と似たようなかたちの、その声が。