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禊(みそぎ)
第3章 花火
何だか気まずい空気になって、私は手持ちぶさたになり、身支度を始めた。

英司君の顔が真っ直ぐ見れない自分がいた。

彼を巻き込んでしまった罪悪感。夫婦の問題なのに結果的に彼を苦しい立場に追いつめた。

彼に抱かれる度に、私は深い底無し沼に身を沈めているのかもしれない。

深い闇のなかで、私に向かって放たれた一筋の光。

すがれば救われると思い、必死で掴んだその光の先には、本当は何も無いのかもしれない。

部屋の片隅に置かれた彼の絵。花火が描かれている。まだ未完成のその絵を見つめながら、私は花火の様に、一瞬激しく光を放ち、そのまま消えてしまいたいと思った。
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