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作品集
第10章 平成28年2月…
大事ですね…

◆『負の感情を捨てる方法』

《もし私があなたの立場だったら、私もきっと同じことをしたでしょう》

これは、私がカウンセリングでクライアントによくかける言葉です。
とても優秀なのに、一人で思い悩むところがあって、何度も自殺を図ってしまうクライアントにその言葉をかけた瞬間、彼は張り詰めていた緊張の糸がふっとほぐれて、わっと泣き出し、その直後に大きな安心感を得ました。
それは、
「自分の不完全さ」を認められたことによる、人間としてごく自然な反応です。
この言葉は、アメリカを代表する心理療法家、
カール・ロジャーズの
「魔法の言葉」とも言われています。相手の言葉を聞いて、聞いて、聞き続けて、最後にすべてを受け入れる。
これは自分自身にも有効な考え方です。
不完全な自分を受け入れるということです。
自分の中のどす黒い感情を認める。
そうした瞬間に、嫌われてもいいから、自分らしく生きようという勇気がわいてきます。
新しい自分が生まれます。もし誰かに不満をもっていたら、その人も不完全だと気づくのです。
すると、その人の欠点もあまり気にならなくなると思います。
自分も不完全だし、
相手も不完全なのだということです。

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