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作品集
第2章 平成27年5月…
ところが、最近は、造語能力に富む漢語や
一見おしゃれな外来語に押されて、長く愛され、用いられてきた美しい大和言葉があまりに使われない、という現象が生まれています。これは本当にもったいない話。たとえば、「街で○○さんを見かけたけど、チョー素敵だった」
いまや老若男女を問わず口にする「チョー」。
でも、あまりに頻繁に使われるため、最近は、聞く人の心に響いている印象がありません。
「チョー」と言いたいときには、むしろそれを避けて、別の言葉で言ってみましょう。一番のお勧めは「このうえなく」。
大和言葉特有の柔らかさと穏やかさを持った言葉です。人や作品を評価する際に、「このうえなく素敵だった」「このうえなくおいしい」といった形で使ってください。
「それより上のものがない」という意味ですから、要するに「最高に」「最上に」ということ。
漢語では表せない「あふれる思い」が伝わります。
また、「心を打たれた」「感激した」と言いたいときには、より優雅な言い方あるので紹介しましょう。
「いたく」です。
漢字にするなら「痛く」。つまり、痛みを感じるほど強く心を打たれた、ということ。友達が親切にしてくれたときなどに「いたく心を打たれた」と言えば、照れくさいほどの深い感謝を表現できます。
もう一つ、「チョー」に代わる言葉を。
「懐かしむ」「愛する」という語の前に、その度合いを強調する言葉をつけたいときは、「このうえなく」よりも「こよなく」が似合います。
「ふるさとをこよなく懐かしむ」「家族をこよなく愛している」言ってみてください。
懐かしさや愛情の奥行きがぐっと増します。

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