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作品集
第5章 平成27年8月度…
素晴らしいメールを紹介します。
◆黒田博樹は、大阪府で生まれた。
父は、元プロ野球選手、母は砲丸投げの選手というアスリート一家。
幼いころから野球に親しみ、「楽しかった」中学校までの野球を経て、元木大介、種田仁らが入れ替わりで卒業した関西きっての名門・上宮高校へ進学、野球部の門をたたく。
「甲子園に行きたい」
名門校に入った際の高揚感と淡い期待はしかし、もろくも崩れ去る。練習は苛烈を極めた。特に厳しかった夏の練習の記憶はいまでも黒田の脳裏から離れない。打たれれば、草むしりと走り込みの日々。
あるとき、課題であるコントロールが改善されず、
監督がいいというまで走り込みを命じられた。黒田の記憶では4日間。ボールを使った練習は一切できず、ただ黙々と外野を走り続ける。体力的に限界を感じ始めていたとき、
チームメイトの母親がこっそり連れ帰り、食事を与え、風呂に入れてくれたこともあった。
けれど、その母親が、黒田家も不安だろうとかけてくれた一本の電話だった。
「博樹くん、うちで預かって、食事とお風呂を取らせて、監督に気づかれないように朝までに合宿所に帰しますから・・・」
すると母親はこう返した。「ありがとうございます。でも結構です。タクシーで構いませんので、すぐにでも合宿所に帰して走らせてください」
黒田は今でもあの時の驚きと、気まずそうな友人の母親の顔が忘れられないという。祖母の葬式があった時も、当然高校を休むわけですが、終わったらすぐに、お前はすぐに学校に帰って走ってこい、ですからね」家とグランドでのスパルタな日々。しかし現実は
「生き地獄」だった。
◆黒田博樹は、大阪府で生まれた。
父は、元プロ野球選手、母は砲丸投げの選手というアスリート一家。
幼いころから野球に親しみ、「楽しかった」中学校までの野球を経て、元木大介、種田仁らが入れ替わりで卒業した関西きっての名門・上宮高校へ進学、野球部の門をたたく。
「甲子園に行きたい」
名門校に入った際の高揚感と淡い期待はしかし、もろくも崩れ去る。練習は苛烈を極めた。特に厳しかった夏の練習の記憶はいまでも黒田の脳裏から離れない。打たれれば、草むしりと走り込みの日々。
あるとき、課題であるコントロールが改善されず、
監督がいいというまで走り込みを命じられた。黒田の記憶では4日間。ボールを使った練習は一切できず、ただ黙々と外野を走り続ける。体力的に限界を感じ始めていたとき、
チームメイトの母親がこっそり連れ帰り、食事を与え、風呂に入れてくれたこともあった。
けれど、その母親が、黒田家も不安だろうとかけてくれた一本の電話だった。
「博樹くん、うちで預かって、食事とお風呂を取らせて、監督に気づかれないように朝までに合宿所に帰しますから・・・」
すると母親はこう返した。「ありがとうございます。でも結構です。タクシーで構いませんので、すぐにでも合宿所に帰して走らせてください」
黒田は今でもあの時の驚きと、気まずそうな友人の母親の顔が忘れられないという。祖母の葬式があった時も、当然高校を休むわけですが、終わったらすぐに、お前はすぐに学校に帰って走ってこい、ですからね」家とグランドでのスパルタな日々。しかし現実は
「生き地獄」だった。