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作品集
第7章 平成27年11月
ご存じですか…?

■寄り合いとは一体どういった制度なのでしょうか?

日本の村落共同体では
「寄り合い」という制度があった。これは
会議とはまったく別物である。会議では各メンバーが自分の意見を述べて討議する。議長がいて、適当なところでどっちつかずの結論にまとめて終わる。
ほとんどの人がすべて
不満足で、何回会議を開いても全員が満足する合意は得られない。
「会議は踊る」の通りである。一方、
寄り合いでは三日三晩、
話し合いが持たれ、全員が心を落ち着けて徹底的に話し合う。
そうすると全員にとって
満足のいく結論が出てくる。もっと大切なのは結論が出る過程で
共同体の質が深まることであり、次の寄り合いではさらにレベルの高い話し合いが行われる。
日本の村落共同体には滅多なことで争いが起こらない理由がここにある。

会議には議長がいるが、
寄り合いには世話人がいる。世話人の役割はいくつかあるが、重要なのは、
頃合いを見極め、みんなに「ここらで一服しましょうか」といい出すことだ。
単なる休憩の合図ではない。参加者が今までの話し合いを客観的かつ冷静に見直すチャンスを与えるのだ。これは明らかに民主主義より数段レベルの高いシステムである。
この寄り合いのリーダーには全員が認めた人がなる。この段階ですでに
リーダーは「公」の性格を強く持っている。


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