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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第5章 真心の証(あかし)~逢瀬は美しく儚く~
 ハンが窺うように問う。
「妖婦にたとえたりしたから、気を悪くした?」
「まさか、一国の皇帝を惑わせた程の美女と一緒にして貰ってむしろ光栄よ。でも、何度も言うけれど、私にそんな魅力はないわよ」
 ハンは真顔で首を振った。
「少なくとも、私は魅力的だと思うよ。昔の清国がまだ唐といっていた時代の皇帝のように、寵姫に腑抜けた男と末代までの笑いものにはなりたくないけどね」
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