この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第5章 真心の証(あかし)~逢瀬は美しく儚く~
以前から一人の女にすべての心を預けてしまうほど惚れるのは危険だと思っていた。ましてや、自分の前にそんな女が現れるはずがないと。母を初め、彼が拘わってきた女たちは皆、男の歓心を買うことしか頭にない。
従順で淑やかであった最初の二人の妻たちでさえ、そういう女の醜い部分を持っていた。もちろん、仮に彼が妻たちを心底から愛していたならば、そういう態度も可愛いと思えたのかもしれない。であれば、やはり彼は妻たちを愛してはいなかったのだ。
従順で淑やかであった最初の二人の妻たちでさえ、そういう女の醜い部分を持っていた。もちろん、仮に彼が妻たちを心底から愛していたならば、そういう態度も可愛いと思えたのかもしれない。であれば、やはり彼は妻たちを愛してはいなかったのだ。