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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第5章 真心の証(あかし)~逢瀬は美しく儚く~
ソナがにっこりと笑う。
「それで、時々、願い事を書いて吊す人がいるのはそいうことだったのねえ。ね、私たちも何か書いてみない?」
ハンも極上の笑みで応える。
「おっ、それは良いな。よしよし、燈籠を調達してこよう」
ハンは身軽に近くの店まで行き、燈籠を二つ買い求めてきた。今夜を当て込んで、燈籠を売る店もたくさん出ている。ハンが取り出した携帯用の筆を使い、二人は交互に願いを記した。