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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第6章 恋人の秘密
 別れ際、ハンに耳許で囁かれた。
「明日の夕刻、正殿の前に来てくれ」
 その言葉を訝しみながらも、言われたとおり、ソナは正殿の前に行った。夕刻とはいえ、まだ外は十分に明るい。こんな人眼につきやすい時間帯に堂々と内官と後宮の下働きが逢瀬を持っていて良いのかどうか。むろん見つかれば、ただでは済まないはずだ。
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