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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第6章 恋人の秘密
 ソナの眼から涙が溢れた。何故、自分が泣いているのか判らない。最後まで嘘をつかれたことに対する怒りと哀しみなのか、尚宮に問答無用ばかりに頬を叩かれたことへの悔しさか。
 もしかしたら、こんなときなのに、愛する男を見た、ただそれだけの安心感で流した涙なのかもしれない。
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