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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第10章 昼間の密会
「逃げるな」
 ソナは振り返り、ハンを軽く睨んだ。
「国王さまともあろうお方がこのようないかがわしい場所に脚を踏み入れてはなりません」
 ハンが肩を竦める。
「宮殿では夜さえ、二人きりにはなれぬ。いつも寝所の扉一枚隔てた向こうには内官や尚宮たちが聞き耳を立てておるのだぞ? たまには、我ら二人だけで思う存分に楽しんでも罰は当たるまい」
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