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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第10章 昼間の密会
「いや、女は要らない。どこか空いている部屋を貸してくれ」
そのひと言で、女将はすべてを察したらしい。長身のハンの後ろに隠れるソナを無遠慮に眺め、したり顔で頷いた。
「両班の旦那さま方の中には、時折、変わった趣向をお好みになる人もいますからねえ。それにしても、奥さまのお綺麗なこと、うちの妓にもそんな美人はいませんよ。男っていうのは、そんな風に何も知らぬ生娘のようでいて、その癖、色香のある女を好みますから」