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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第11章 取引
「さ、近づきの印だ。取っておくが良い」
 ソナは尚宮の手に指輪と巾着を握らせた。
 四十ほどの尚宮がソナとまともに視線を合わせたのはそのときが初めてだった。いつもは下賤な女とは眼すら合わせたくないとばかりにそっぽを向いている。
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