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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第11章 取引
 ソナは零れんばかりの笑みを見せた。
「ありがたい。この日の恩は忘れぬ」
 堂々した様子で大妃殿の階を登ってゆく姿は既に側室どころか、中殿になったかのようだ。尚宮は無表情にその後ろ姿を見送り、自身もその後をついて大妃殿に戻った。
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