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白い背中と君の藍
第1章 インディゴ ◇始まりの空
「――――っ!!」

何てことない一言なのに――――

胸の奥がキュッと縮んで、息が詰まりそうなる。

急に襲った息苦しさを誤魔化すように、急いでお茶のバーコードを読み取った。

「袋……お分けしますか?」

「一緒で」

「ありがとうございます!」

他のお客さんにも何百回と言ってきた言葉なのに、一言ひとことに胸が騒ぐ。

男性の顔を見てみたいけど、失礼だし何より恥ずかしい。

お弁当が温まる一分ちょっとの時間が、凄く長く感じた。

手持ちぶさた数秒間、いつになくレンジを凝視してしまう。

早く温まって欲しいような……
欲しくないような。

黒目を思いっきり端に動かして、男性の姿を視界に収める。

虚空でも見据えるようにぼんやりとした目付きは、さっき声を掛けた時と同じで少し気になった。

……癖なのかな?

妙な緊張感にゴクリと息を飲み込んだ時――――

チーン!!

「ひゃ!」

レンジの音に驚いて、思わず声を出してしまった。

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