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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
約束の時間――――。

無駄に広いアパートの前の敷地に自転車を置く。

改めて見渡すと、隣接している家はない。

それもあって鳥羽さんとの行為中も、つい大きい声を出してしまうのだけど……。

妙な違和感が胸を過ぎった。

なんだろう……
この異様な雰囲気。

最近一気に開発が進んで駅周辺は凄く便利になったとはいえ、少し離れたらアパートもまだ格安な所がある。

築年数が古いアパートも建ち並んでいたりするのだけど、此処だけ世界が隔離されている風に思えた。

鳥羽さんしか住んでいない二階建てのアパート。

「大家さんって、誰だろう?」

親や智充先輩に聞いてみたら、地元情報を結構知っているかもしれないけど、それ以上のことを詮索されたら厄介だから聞けない。

「今度調べてみようかな」

普段だったらこんなこと全然気にしないのに、鳥羽さんに絡むことだからか凄く知りたくなってしまう。

自転車の鍵を外して、ドアに向かおうとすると

ガチャ――――!!

「メグ!」

時間だからか気配を感じたのか……

鳥羽さんが勢い良くドアを開けてきた。

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