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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
「メグ?」

そんな私を鳥羽さんは不思議そうに眺める。

両手を胸元から離して、一センチもない痕を再び確認した。

このまま一生残って欲しいとすら思ったけど――――

「これって……何日くらいで消えちゃうのかな?」

「ん?  二、三日もすれば消えるよ」

現実はそうだろう。

数日で消えるから鳥羽さんはキスマークをつけたのかもしれないけど、消えてしまったら今日の思い出も、あっという間に過去になってしまいそうで寂しい。

ドックン――――

まるで痣が種みたいに胸の奥まで根を伸ばし、私の中で紫色の欲望が芽吹く。

今までの自分からは想像出来ない言葉が口を衝いていた。

「鳥羽さん……もっと痕をつけて」

「え……?」

「だってこの痣の色、綺麗なんだもん。桜の花弁が舞うみたいに、もっとつけて欲しいな」

「花弁みたいに?」

「うん……」

いつも受け身な私が擦り寄って大胆なお願いをしてきたからか、鳥羽さんも流石に少し戸惑い気味の顔になっていた。

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