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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
鳥羽さんは数秒考え込んで

「うん……良いよ。胸でいい?」

私の肩に手を乗せて胸元に顔を再び埋めた。

「うん……どこでもいい……」

鳥羽さんの前髪が肌を掠める感触が撫でられているみたいで心地良い――――。

肌に唇が押し当てられて、ゆっくり吸われていくのが分かる。

「あっ……」

時たまチクっと小さな痛みが走るけど、鳥羽さんが印をつけているんだと実感出来た。

十数回くらいだろうか……?

吸い付かれたような感覚を目を閉じてカウントする。

チュ……
チュ……チュ――――

時間にして五分くらいだったけど、時が止まったように長く感じた。

胸元から鳥羽さんの顔が離れて、私を見上げて

「これでいい?」

そう聞いてきた唇が、こころなしか赤味が増して色っぽい。

自分で頼んでおきながら、痣がどうなったのか少し緊張して胸元を覗き込むと――――

「綺麗……」

そこには小さな赤紫の花が咲いていた。

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