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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
何て答えよう――――。

先輩に鳥羽さんのことは話さない方がいい気がする。

上手く言葉が選べないでいると、背中越しに先輩の妙に重たい溜息が聞こえて――――

「はぁぁぁ……。恵、男が出来たのかよ」

今度はジャストミートに核心を突いてきた。

「男……って?」

「付き合ってる男だよ。前にコンビニに来た絵の具男か?」

先輩は更に、鳥羽さんまでヒットさせる。

どう答えればいいの?

確かにこの痣をつけたのは鳥羽さんだけど、私まだ『好き』って言ってない。

鳥羽さんからも『好き』と言われた訳じゃない。

セックスはもう何度もしているけど、だからって心が通い合っていなかったら『付き合っている』ことにはならないよね?

経験値が低いなりにも、それぐらいは考えられる。

「聞いてどうするんですか……」

自分も先輩も納得出来るような答えが出せなくて、つい反抗的に答えてしまった。

「はぁ?  分っかんないのかよ……」

先輩は苦虫を噛み潰したような顔をして

「気持ち悪いだろ……こんな風に痣をつける奴」

私の宝物を否定してきた。

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