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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
シャァァァァァ――――!!

シャワーの水圧を強くして、目をギュッと瞑って顔に当てる。

変な汗が流されるとスッキリして、気持ちも落ち着いてきた。

「先輩に謝らないとな……」

先輩とはLINEもするけど、今日は素直に謝れる気がしないから、明日朝一で送ることにした。

肌を弾いて落ちていく水滴が、胸元の痣を魚眼レンズみたいに浮き立たせる。

「もう消えそうだな……」

鳥羽さんにキスマークをつけて貰った時はあんなに鮮やかだったのに、思いの外薄くなるのは早かった。

本当に花が枯れるみたいに、今は茶色っぽい色に変わっている。

「またつけて貰えるかな」

思えばあんな我儘を鳥羽さんに言ったのは初めてだった気がする。

それを鳥羽さんは快く受け入れて、楽しそうに笑ってくれた。

思い出すだけで嬉しくて……
胸が苦しい。

「鳥羽さん……好き……大好き……」

胸元の痣を指先で触っていると、膨らみの先の赤い蕾が膨らみ出す。

水玉を滴らせて光る蕾は、まるで朝露を纏っているみたいだった。

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