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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
鳥羽さんの真っ黒な瞳に、私だけが映っている。

今鳥羽さんの世界には、私だけかな?

「鳥羽さん……」

見詰め返しながら名前を呼んだ。

すると――――

「孝秀……」

「え?」

「孝秀って……いつ呼んでくれるの?」

そう言って、鳥羽さんは柔らかく微笑んだ。

ドックン――――!!

鳥羽さんの下の名前に心臓が飛び出そうなくらい反応する。

「良いの……呼んで?」

「うん……メグ全然言ってくれないから不思議だった」

私には奇跡に近いくらい大きなことなのに、鳥羽さんはあっけらかんと言ってくる。

この人は……
私がどれだけの思いでいるか、知らないんだ。

嬉しいやら何やらと、色んな感情が湧き上がってきて、涙が出そうになる。

「何それ……もう!」

「ん?  どうしたの?」

鳥羽さんのマイペースぶりに思っていることをぶちまけたくなったけど、それ以上に嬉しくて言葉にならなかった。

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