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白い背中と君の藍
第6章 アメジスト◇束縛の印
時計を見ると、もう結構遅い時間だ。

「じゃぁ孝秀、私帰るね」

まだ一緒に居たいけど、バイトがない日に遅くなると親も一応心配してしまうし、ご飯もろくに食べていないから孝秀もお腹を空かせているだろう。

立ち上がってスカートのシワを軽く伸ばすと、孝秀はテーブル上に置いてあった財布をジーンズのポケットに突っ込んだ。

「あ……そこのコンビニまで一緒に行くよ」

「うん!」

短い距離だけど、孝秀と歩けるだけで嬉しい。

「メグ、先に出てて」

「分かった〜!」

弾んだ気持ちで玄関に向かおうとした時だった――――

ガチャ!ガチャ!

いきなり鍵を開けられる音がして……

「孝秀〜!  居るの〜!?」

勢い良く開いたドアと一緒に、キツイ香水の香りが漂う。

誰――――!?

そう思って目を見開いて凝視した先には、真っ赤な口紅を光らせた……
艶やかな風貌の女性が立っていた。

瞬間、深紅のピアスが脳裏に蘇る。

「あら〜孝秀……また新しい女の子?」

その女性は私に驚く様子もなく、威圧的なオーラを放っていた。

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