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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
自転車に鍵を掛けて、恐る恐るドアに近付く。

絵を仕上げたいって言ってたから、部屋の中には居る筈――――

そうであって欲しいと想定して、ノックをするのに右手を握る。

「はぁぁぁ……ふぅぅぅ……」

微かに震える手を落ち着かせるように、目を瞑って深呼吸をした。

孝秀――――!!

心の中で思いっきり名前を叫んで、数回ドアを叩く。

コンコン、コンコン……

ドアの向こうからは、何も聞こえない。

「…………寝てる?」

孝秀は朝は弱いが、午後からは大抵起きていた。

もう時間は夕刻を過ぎている。

そう言えば、昨日は隣の部屋に居たっけ……
でも寝てたから、アトリエではないよね?

意を決して、もう一度ノックした。

コン!コン!!

やはり中からは特に応答はなかった。

「……居ないのかな?」

それとも――――。

途端あの女の顔が浮かび、反射的にドアノブに手を掛けた。

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