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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
「っ!!」
怒りや悲しみよりも、知らざれなかった孝秀の真実に頭が真っ白になって、言葉が出なかった。
目を見開いて呆然と立ち尽くしている私に、マキコは更に追い打ちをかける。
「孝秀はね……四年前私が拾ってあげたの。公園で絶望したようにぼんやりと空を見詰めていた所を声かけたのよ。訳ありだったのは直ぐに分かったわ……だから建て壊そうと思っていたこのボロアパートに飼ってあげることにしたの」
「飼って……?」
マキコは孝秀をまるで捨て猫のように扱っている。
不快な顔を見せると、マキコは高慢な笑みを浮かべ話し慣れたように続けていく。
「孝秀がまだ十七歳だった頃よ。最初は私にも頑なだったわ……。でも他に頼るつてがなかったんでしょうね。住むところ、食料、お金……生きていくのに必要な物を与えてあげた私に、孝秀も懐くようになったの」
「……」
孝秀のことをこの女は『ペット』にしか思ってないような話し振りに、怒りで喉の奥が焼けそうだった。
何か言い返したいけど、今時点で孝秀がマキコに世話になっている限り、迷惑をかけることは出来ない。
何より……
孝秀のことを知れる――――。
この女から聞かされるのは悔しいけど……。
怒りや悲しみよりも、知らざれなかった孝秀の真実に頭が真っ白になって、言葉が出なかった。
目を見開いて呆然と立ち尽くしている私に、マキコは更に追い打ちをかける。
「孝秀はね……四年前私が拾ってあげたの。公園で絶望したようにぼんやりと空を見詰めていた所を声かけたのよ。訳ありだったのは直ぐに分かったわ……だから建て壊そうと思っていたこのボロアパートに飼ってあげることにしたの」
「飼って……?」
マキコは孝秀をまるで捨て猫のように扱っている。
不快な顔を見せると、マキコは高慢な笑みを浮かべ話し慣れたように続けていく。
「孝秀がまだ十七歳だった頃よ。最初は私にも頑なだったわ……。でも他に頼るつてがなかったんでしょうね。住むところ、食料、お金……生きていくのに必要な物を与えてあげた私に、孝秀も懐くようになったの」
「……」
孝秀のことをこの女は『ペット』にしか思ってないような話し振りに、怒りで喉の奥が焼けそうだった。
何か言い返したいけど、今時点で孝秀がマキコに世話になっている限り、迷惑をかけることは出来ない。
何より……
孝秀のことを知れる――――。
この女から聞かされるのは悔しいけど……。