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白い背中と君の藍
第2章 タンジェリン◇もっと知りたい
さっきまで空を真っ直ぐ見据えていた目を両手で覆い、背中を丸めて頭が項垂れていく。

「大丈夫ですか!?」

恥ずかしいとか言っている場合じゃなかった。

凄く苦しそうな表情をしていたから具合が悪いのかと思って、反射的に声を掛けてしまうと――――

「……あ」

「っ!!」

私の声に反応して顔を上げた男性とバッチリ目が合う。

――――泣いてた?

涙を浮かばせていたのか、男性の瞳は潤んでいた。

ドックン!

また初めて声を掛けた時と同じく、胸が高鳴って鼓動が早くなる。

今まで誰とも付き合ったことないから、男の人に免疫がないからとかではなくて――――

あの吸い込まれる『藍色』のように、無性に惹きつけられてしまうのだ。

『知りたい』――――

私、この人のこともっと知ってみたい。

虚空を射抜くこの瞳に何が映っているのか、どうしようもなく知りたくて……

この衝動が止めどなく溢れ出してきて、抑えきれない。

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