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白い背中と君の藍
第2章 タンジェリン◇もっと知りたい
でも先ずは、好奇心より男性の体調が優先だ。

「あの……どこか具合でも悪いですか?」

絡まった視線を少しもズラすことなく見詰めてくる目に緊張感が高まるが、明らかに顔色が良くなかった。

「あの、大丈夫ですか?」

「君……コンビニの子?」

――――覚えていてくれていた。

男性が自分のことを認識してくれた瞬間、身体中の血液が逆流しそうなくらい興奮して肌が熱くなる。

「は、はいっ!  和久井です!  先日は失礼致しました!!」

コンビニの前に、ここで声を掛けたことの方が私には重要だったけど、今はコンビニの子娘程度でも男性の視界に入れていることが何より嬉しく思えた。

あの藍色を描く瞳に、自分が映っている――――。

それだけで私の中にも、宇宙のようなインディゴブルーが広がっていく感覚に身が震える。

もっと……『染められたい』

何もなかった真っ白な人生に、鮮やかな色がつき始める予感がした。

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