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白い背中と君の藍
第9章 サンドベージュ◇繊細な心
ドアをノックする手の中がじっとりと汗ばむ。
コンコン……
躊躇いがちに小さく叩いた。
部屋からは何も物音がして来ない。
孝秀……出掛けちゃったのかな?
恐る恐るノブに手を掛けて回してみると、鍵は開いている。
また、眞貴子がいるの!?
前回の時と似たような状況に、嫌な記憶が蘇り不安を煽られる。
ノブを握りながら少し迷ったけど、ここで自分が逃げたら何も変えられないと思って、意を決して勢い良くドアを開けた。
「こんにちは〜! 孝秀いる〜!?」
やはり返事はなかったけど、床に倒れている孝秀が視界に飛び込んできた――――。
「孝秀!!」
さっきまでの躊躇いなんて何処かへ吹き飛んだみたいに、私はサンダルを放るように脱ぎ捨てて、孝秀に駆け寄った。
床に仰向けに倒れている孝秀は顔色が悪くて、普段見ない無精髭まで生やしている。
「孝秀!! どうしたの!?」
慌てて胸元に手を当てると、体温と心音も確認出来て少し安堵したけど、病気なのかは判断出来なかった。
コンコン……
躊躇いがちに小さく叩いた。
部屋からは何も物音がして来ない。
孝秀……出掛けちゃったのかな?
恐る恐るノブに手を掛けて回してみると、鍵は開いている。
また、眞貴子がいるの!?
前回の時と似たような状況に、嫌な記憶が蘇り不安を煽られる。
ノブを握りながら少し迷ったけど、ここで自分が逃げたら何も変えられないと思って、意を決して勢い良くドアを開けた。
「こんにちは〜! 孝秀いる〜!?」
やはり返事はなかったけど、床に倒れている孝秀が視界に飛び込んできた――――。
「孝秀!!」
さっきまでの躊躇いなんて何処かへ吹き飛んだみたいに、私はサンダルを放るように脱ぎ捨てて、孝秀に駆け寄った。
床に仰向けに倒れている孝秀は顔色が悪くて、普段見ない無精髭まで生やしている。
「孝秀!! どうしたの!?」
慌てて胸元に手を当てると、体温と心音も確認出来て少し安堵したけど、病気なのかは判断出来なかった。