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白い背中と君の藍
第9章 サンドベージュ◇繊細な心
「孝秀……ちょっと離して」
抱き締めていたいけど孝秀の口に何か入れてあげる方を先決して、腕を解こうとしたけどビクともしない。
「苦しいよ。食べ物探しに行くだけだよ」
孝秀を宥めようとしたけど、巻き付く腕には更に力が入ってくる。
「イヤだ……メグここに居て」
「孝秀……」
まるで駄々っ子になった子供みたいだ。
出会った時から何処か大人びて見えていた孝秀が、急に幼い部分を見せてきて可愛く思えてしまう。
「うんうん……何処にも行かないよ。私は孝秀の側にいるから……」
誓うように囁くと、孝秀は嬉しそうに微笑んだ。
シュルシュルと蔦が伸びて絡み付く――――。
孝秀の腕に囚われていることに、喜びを感じている自分がいた。
あぁ……まるで番いみたいに私も鳥籠の中に繋がれそうだ。
孝秀を自由にしたいと思いながらも、彼に捕まっていたいとの欲望が頭を覗かせる。
眞貴子の赤い唇が脳裏に浮かぶ……
『お前も同じだよ』――――
と、うすら笑っている気がした。
抱き締めていたいけど孝秀の口に何か入れてあげる方を先決して、腕を解こうとしたけどビクともしない。
「苦しいよ。食べ物探しに行くだけだよ」
孝秀を宥めようとしたけど、巻き付く腕には更に力が入ってくる。
「イヤだ……メグここに居て」
「孝秀……」
まるで駄々っ子になった子供みたいだ。
出会った時から何処か大人びて見えていた孝秀が、急に幼い部分を見せてきて可愛く思えてしまう。
「うんうん……何処にも行かないよ。私は孝秀の側にいるから……」
誓うように囁くと、孝秀は嬉しそうに微笑んだ。
シュルシュルと蔦が伸びて絡み付く――――。
孝秀の腕に囚われていることに、喜びを感じている自分がいた。
あぁ……まるで番いみたいに私も鳥籠の中に繋がれそうだ。
孝秀を自由にしたいと思いながらも、彼に捕まっていたいとの欲望が頭を覗かせる。
眞貴子の赤い唇が脳裏に浮かぶ……
『お前も同じだよ』――――
と、うすら笑っている気がした。