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白い背中と君の藍
第9章 サンドベージュ◇繊細な心
どうやら吐き出せってことだろう。

でも初めて知った孝秀の味……。

決して美味しいとは言えないけど、自分の中にどうしても収めたかった。

だけど飲み込もうとしても、簡単に喉を通らない。

口の中にはますます臭いがこもってくる。

「ん……んん……」

「メグ?  早く出した方がいいよ」

中々口を開かないでいる私に、孝秀は心配して指で口を広げようとしてきた。

いやぁぁぁぁ――――!!
これだけは私の物!!

孝秀自身にも渡したくなくて、素早く肉棒から口を離して勢いのまま苦い液体を飲み込んだ。

生卵でも飲み込んだみたいにドロッとした感覚に、一瞬身体が硬直する。

「メグ……飲んじゃったの……」

まさか私がここまでするとは思わなかったのか、孝秀が珍しく唖然とした顔になった。

それが年相応の若者らしいリアクションに見えて、嬉しくなって私はニッコリと微笑んだ。

そんな私に孝秀も微笑んで

「メグって凄いね」

顔を寄せて、唇を重ねる。

いつもは欲望のまま吐き出される種が、お互いの口の中で温かく混ざり合っていった。

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