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白い背中と君の藍
第2章 タンジェリン◇もっと知りたい
「見たいです!!」
湧き上がった衝動のまま勢いよく答えると、男性は再び柔らかく微笑んだ。
その優しくて儚げな微笑みに、喉がキュッと痛くなる。
苦しい――――。
嬉しいけど、何故か苦しくなった。
この時の私には、まだ痛みの理由が解らなかったけど……
彼の笑顔をもっと見たいと思ったのだ。
男性はゆっくり立ち上がって、腰を軽く叩きながら小さく呟く。
「やっぱり……面白い」
「……」
何度も言われるとちょっと微妙な気持ちになるけど、男性の表情が優しく変わるから、何を言われてもいいような気になってくる。
これから、『絵の具』見せてくれるのかな?
思えば男性は、画材を持っていなかった。
『家なら、沢山あるけど』――――。
さっきの男性の言葉が頭の中で反芻する。
唇を結んで、ロングスカートの生地を両手で皺くちゃになるくらい握ってしまう。
「こっちなんだ」
男性は何の躊躇いもなく、私の自転車を押し出した。
湧き上がった衝動のまま勢いよく答えると、男性は再び柔らかく微笑んだ。
その優しくて儚げな微笑みに、喉がキュッと痛くなる。
苦しい――――。
嬉しいけど、何故か苦しくなった。
この時の私には、まだ痛みの理由が解らなかったけど……
彼の笑顔をもっと見たいと思ったのだ。
男性はゆっくり立ち上がって、腰を軽く叩きながら小さく呟く。
「やっぱり……面白い」
「……」
何度も言われるとちょっと微妙な気持ちになるけど、男性の表情が優しく変わるから、何を言われてもいいような気になってくる。
これから、『絵の具』見せてくれるのかな?
思えば男性は、画材を持っていなかった。
『家なら、沢山あるけど』――――。
さっきの男性の言葉が頭の中で反芻する。
唇を結んで、ロングスカートの生地を両手で皺くちゃになるくらい握ってしまう。
「こっちなんだ」
男性は何の躊躇いもなく、私の自転車を押し出した。