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白い背中と君の藍
第2章 タンジェリン◇もっと知りたい
「あ……はい!」

先を行く男性の後を付いて歩き出す。

もうこれって、絶対家に行くよね?

もう引き返せないことに、今更ながら葛藤が始まった。

ちょっと軽率だったかな?
軽い女と思われてるんじゃない?

でも絵が見たかったし……
何故か絵の具になっちゃったけど。

てか、絵の具にひょいひょい付いて行く私ってどうなの!?

予想だにしていなかった展開に、緊張で爆発しそうな心臓を落ち着かせようと、無駄にあれこれ考えた。

そんな私を知る由もなく、男性は無言で自転車を押して行く。

落ちる夕日に向かって歩く背中は、少し華奢に見えた。

何歳かな?

身長は智充先輩よりは低いけど、170センチはありそうだな……。

それと――――

「お名前聞いてもいいですか?」

絵の具の先にまた何かあるかは解らないけど、せめて名前は知っておきたい。

「名前……俺の?」

「はい、私はメグです。恵まれるの一文字でメグって言います」

「メグ……良い名前だね」

「あ、ありがとうございます」

大したことではないのに、彼の言うことが一々胸をキュッと締め付けた。

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