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白い背中と君の藍
第10章 エメラルドグリーン◇希望の光
ショックなら、眞貴子の時で十分受けた。

あれ以上の衝撃は、早々ないだろう。

「大丈夫です。どんなことでも受け止めますので……」

ジッとお母さんの目を見詰めると、私の覚悟が伝わったのか、静かに四年間の真実を語ってくれた。

「今では小さな工場だけど……前は結構大人数を雇える程だったんです……」

孝秀のお父さんは従業員からの信頼も厚く、負債を抱えない程度にコツコツと工場を守っていた。

ずっと片腕のように一緒に働いていた仲間が、事業を興したいと言ってきて、お父さんは全面的に協力をしたけど、世の中不景気の状況で、仲間の事業は上手くいかずに失敗に終わってしまう。

心底信頼していた仲間は借金だけを残して蒸発してしまい、借金の保証人になっていた孝秀のお父さんは、工場をたたむまで追い詰められる。

「工場を肩代わりにしても、まだ足りなくて、従業員の人たちのお給料も確保しないといけなかったんです。法的手段も考えたんですけど、主人は従業員の人たちの生活を気にしてしまって……」

結局何千万もの借金が残ってしまった――――。

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