この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白い背中と君の藍
第10章 エメラルドグリーン◇希望の光
「孝秀や下の娘の学資保険まで解約したんです……。孝秀は昔から美大に進むことを夢みていたのに……それも行かせてやれなくなって……」
「そうだったんですね……」
お母さんは本当に辛そうな顔になった。
孝秀の家族は誰も悪くないのに……
お父さんもきっと優しい人で、全部自分で背負ってしまったんだろう。
まるで今の孝秀みたいに……。
「多額の借金と子供たちの夢を閉ざしたのと……何より信頼してた人の裏切り行為に穏やかだった主人も精神的に堪えてしまって……毎日お酒を飲むようになったんです」
「お酒……」
まるでドラマみたいな展開に、嫌な予感がしてくる。
「ただ酔っ払っているだけなら大丈夫だったんですけど、私や子供たちに暴力を振るうようになって来たんです……」
お母さんの言葉に、フッと孝秀が私の血をジッと眺めていた光景が頭を過っていく。
もしかして――――
「ある日主人が凄く荒れてて、私に包丁を向けてきて……うぅっ……」
そこでお母さんは言葉を詰まらせて、口元を手で覆った。
そして私の予感も的中してしまうのだった。
「そうだったんですね……」
お母さんは本当に辛そうな顔になった。
孝秀の家族は誰も悪くないのに……
お父さんもきっと優しい人で、全部自分で背負ってしまったんだろう。
まるで今の孝秀みたいに……。
「多額の借金と子供たちの夢を閉ざしたのと……何より信頼してた人の裏切り行為に穏やかだった主人も精神的に堪えてしまって……毎日お酒を飲むようになったんです」
「お酒……」
まるでドラマみたいな展開に、嫌な予感がしてくる。
「ただ酔っ払っているだけなら大丈夫だったんですけど、私や子供たちに暴力を振るうようになって来たんです……」
お母さんの言葉に、フッと孝秀が私の血をジッと眺めていた光景が頭を過っていく。
もしかして――――
「ある日主人が凄く荒れてて、私に包丁を向けてきて……うぅっ……」
そこでお母さんは言葉を詰まらせて、口元を手で覆った。
そして私の予感も的中してしまうのだった。