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白い背中と君の藍
第11章 ホワイト◇君の背中に
お風呂は先に孝秀に入って貰って、私は後にした。

今日はシャワーだけにしてホテルの寝巻きに着替えると、普段と違う雰囲気が新鮮に感じる。

たまにはこういうのも面白いかもしれない。

孝秀といる時はいつも画材の臭いがする部屋だったけど、今日は臭いは一切ない。

髪の毛をタオルで拭きながら、ベッドに腰をかけている孝秀に側に寄っていく。

ホテルの寝巻きを孝秀も着ているが、Tシャツとジーンズの姿がイメージの彼にはちょっと似合わな気がした。

「あは、なんか孝秀別人みたい〜」

「そう?」

コンビニで買ってきたペットボトルの水を飲もうと、冷蔵庫から取り出そうとすると

「メグ……渡したい物があるんだ」

孝秀が改まって言ってきた。

「ん?  なんだろう!」

孝秀がくれるものなら、石ころだって宝物にしちゃう!

大好き過ぎてそんなことまで思っていると、孝秀は実家から持っていた紙袋を私に差し出す。

紙袋を受け取ろうと手を伸ばしながら中身が気になる。

「孝秀……これは?」

「実家で使ってた……絵の具と筆」

「え……絵の具と筆」

孝秀は大事に使っていた画材を私にくれようとしていた。

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