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白い背中と君の藍
第11章 ホワイト◇君の背中に
驚いて目を見開いて固まっていると孝秀は
「メグ……絵の具好きって言ってたから……。これは俺がお小遣いとか貯めて買った画材だからメグに渡せるかなって」
苦笑いして、中身を見せてくれた。
中には少し使い掛けの物や、真新しい物も入っている。
決して高価な物ではないけど、私のことを思ってくれた気持ちが凄く嬉しい。
だけど――――
「孝秀……こんな大事な物却って悪いよ」
今の孝秀には簡単に手に入る画材だろうけど、この当時は学生の懐には手に入れにくい物だ。
どうせなら孝秀自身が使って欲しい。
そう思って気持ちだけ受け取ろうとしたら、孝秀は穏やかに微笑んだ。
「メグに持っていて欲しいんだ……。俺、ちゃんと眞貴子さんと話をするよ。許して貰えて実家に帰れるようになった時……この絵の具でメグを描かせて欲しいんだ……」
「私を描いてくれるの……本当?」
「うん……メグを描きたい……」
奇跡が起きたような気がした――――。
孝秀が自分の意思で、私を描きたいと思ってくれたことが凄く嬉しくて、涙が一気に溢れ出した。
「メグ……絵の具好きって言ってたから……。これは俺がお小遣いとか貯めて買った画材だからメグに渡せるかなって」
苦笑いして、中身を見せてくれた。
中には少し使い掛けの物や、真新しい物も入っている。
決して高価な物ではないけど、私のことを思ってくれた気持ちが凄く嬉しい。
だけど――――
「孝秀……こんな大事な物却って悪いよ」
今の孝秀には簡単に手に入る画材だろうけど、この当時は学生の懐には手に入れにくい物だ。
どうせなら孝秀自身が使って欲しい。
そう思って気持ちだけ受け取ろうとしたら、孝秀は穏やかに微笑んだ。
「メグに持っていて欲しいんだ……。俺、ちゃんと眞貴子さんと話をするよ。許して貰えて実家に帰れるようになった時……この絵の具でメグを描かせて欲しいんだ……」
「私を描いてくれるの……本当?」
「うん……メグを描きたい……」
奇跡が起きたような気がした――――。
孝秀が自分の意思で、私を描きたいと思ってくれたことが凄く嬉しくて、涙が一気に溢れ出した。