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白い背中と君の藍
第12章 カナリアイエロー◇壊れた鳥籠
霧生家がいくら地元で権力があるからって、私のプライベートまで束縛する権限まではないだろう。

そう……眞貴子が束縛しているのは孝秀なんだから。

「もしかして……私と孝秀が出かけているのに気付いてた?」

確かに約束した時、車で出かけようとは言っていた。

思えば孝秀は眞貴子が家に来ない時に私と会う約束をしたし、隣の部屋に入った時も眞貴子が現れたのもタイミングが良すぎる気がする。

孝秀を一生、奴隷のように縛ろうとした――――眞貴子。

「まさか……盗聴器?」

盗聴器一つで、孝秀の行動は把握出来るんじゃない?

孝秀が関係を持った女性のことも把握で出来る筈だ。

それくらいしかねない程、眞貴子は孝秀に執着している。

『今日か明日には眞貴子さんと話すからから』――――。

今朝の孝秀の言葉がフラッシュバックする。

凄く胸騒ぎがした。

「孝秀――――!!」

私は急いで孝秀のアパートまで自転車を走らせた。

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