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白い背中と君の藍
第13章 スカイブルー◇君と見る空
ずっと気になっているのは孝秀のことだった。

一回孝秀の実家に連絡を入れてみたけど、孝秀は帰っていないと言う。

鳥籠がなくなった今……

孝秀は自由に飛んでいるのだろうか……。

『メグの絵を描きたいんだ』――――。

そう言って微笑んでくれた孝秀の顔が忘れられない。

「孝秀……会いたいよ……」

彼のことを想うだけで胸が苦しい。

彼のことを考えるだけで泣けてくる。

これから先ずっと……

私は孝秀のことを思い続けて行きたかった。

鳥籠の中で戯れた私たちは……

誰よりもお互いに縛られていたのかもしれない。

眞貴子の孝秀への執着心は、私の中へも植え付けられていた。

そんな考えが頭を過るたび、身体中がザワザワして、冷や汗がでそうだ。

目を閉じ、深呼吸していると母親が病室に戻ってきた。

「これさっきこで恵に渡して欲しいって言って受け取ったんだけど」

「え……」

母親の手に持っていたのは……

「あ、『藍色の空』だ……」

私が孝秀に初めて声を掛けた日の『藍色』のキャンバスだった。

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