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白い背中と君の藍
第13章 スカイブルー◇君と見る空
「た、孝秀……」

「え?  あの男の子の名前?」

孝秀が病院までこれを持ってきてくれたんだ!!

その瞬間、一気に胸が熱くなる。

孝秀、会いたい――――!!

「お母さん!  その男の子、まだ病院内にいる?」

ベッドから飛び出しそうな勢いの私を、母親は慌てて止めてきた。

「ちょっと!  恵、傷が開いたらどうするの!  男の子は用事があって急ぐからって、これだけ恵に渡して欲しいって言って、帰って行ったわよ」

「な……」

何で部屋まで連れてきてくれなかったの――――

とは、言えなかった。

お母さんにはまだ孝秀のことは話せていない。

話したとしても、私がお腹を刺した経緯を知ったら孝秀に対してどう思うか分からない。

肩を落として口を噤んだ私にお母さんは……

「その子きっとまた、会いに来てくれるんじゃないかな?」

励ますように言ってくれた――――。

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