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白い背中と君の藍
第3章 スカーレット◇近付けたら
芸術家の考えることって深いな……。
「凄いですね。こんなことまで出来ちゃうなんて」
本気で感心して、思ったままを口にすると意外な回答が返ってきた。
「ん? これやったの大家だから、俺じゃないよ」
「え……大家さんが?」
「そう、不思議だよね」
謎めいている彼にそう言われるくらいだから、大家さんはかなり変わり者なのかもしれない。
大家さんも、芸術家の肌なのだろうか?
勝手に大家さんのイメージを浮かべている間に、鳥羽さんはスニーカーを無造作に脱いで部屋に上がるとキッチンで手を洗い出す。
「飲み物、お茶でいい? 上がって適当に見てて」
「あっ! ありがとうございます!」
一応若い男性の一人暮らしの部屋なのに、壁のドアの衝撃で緊張感も吹っ飛んでいた。
壁の向こうも気になったけど、取り敢えず玄関になっているドアと直結している部屋は画材が置いてあるので、ここがアトリエなんだろう。
見渡すと雑然と画材が置かれているが、そんなに散らかっている感じではない。
寧ろきちんと用途ごとに分けられていて、几帳面さすら感じる。
画材は油絵だけじゃなく、水彩、アクリル絵の具、パステルと色んな種類があって、見ているだけで妙に楽しくなってきた。
「凄いですね。こんなことまで出来ちゃうなんて」
本気で感心して、思ったままを口にすると意外な回答が返ってきた。
「ん? これやったの大家だから、俺じゃないよ」
「え……大家さんが?」
「そう、不思議だよね」
謎めいている彼にそう言われるくらいだから、大家さんはかなり変わり者なのかもしれない。
大家さんも、芸術家の肌なのだろうか?
勝手に大家さんのイメージを浮かべている間に、鳥羽さんはスニーカーを無造作に脱いで部屋に上がるとキッチンで手を洗い出す。
「飲み物、お茶でいい? 上がって適当に見てて」
「あっ! ありがとうございます!」
一応若い男性の一人暮らしの部屋なのに、壁のドアの衝撃で緊張感も吹っ飛んでいた。
壁の向こうも気になったけど、取り敢えず玄関になっているドアと直結している部屋は画材が置いてあるので、ここがアトリエなんだろう。
見渡すと雑然と画材が置かれているが、そんなに散らかっている感じではない。
寧ろきちんと用途ごとに分けられていて、几帳面さすら感じる。
画材は油絵だけじゃなく、水彩、アクリル絵の具、パステルと色んな種類があって、見ているだけで妙に楽しくなってきた。