この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
白い背中と君の藍
第3章 スカーレット◇近付けたら
『俺は一生……飛べない』

――――さっきの言葉が蘇ってくる。

空を見詰める瞳。

寂しそうな声。

穴が通された部屋。

広げて貰った絵を見ながら心の中で、彼の素性を探していく。

「青系の絵が多いね」

「青、好きだから」

「うんうん。私も青系好き」

小さな共通点に、思いっきり笑顔で返す。

彼のことを一つずつ知るたびに、自分の世界が広がっていく気がする。

何で私は鳥羽さんのことを知りたいんだろう?

そんな自問が胸に過るが、答えがはっきりと出ない。

一枚一枚、脳裏に焼き付けるように絵を見ていると、ちょっと胸に引っかかりを覚えた。

「風景が好きなの?」

「ん〜?  まぁ……そうかな」

少し濁った語尾が、気にかかる。

そう――――

ここに描かれた全てに、人物画は一枚もないのだ。

風景や植物、数枚動物はあっても『人』の絵は一切ない。

風景画の道にすら、存在していなかった。

/263ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ