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白い背中と君の藍
第3章 スカーレット◇近付けたら
単に風景を描いているだけかも?

この時その程度に思って、深く追求はしなかった。

「いつか自分を……描いて貰いたいな」

寧ろそんな希望が浮かんだが、簡単に叶えられるかもと安易に考えていた。

「え……メグを?」

「う、うん……ダメかな?」

鳥羽さんの戸惑いのある声に、厚かましいことを言ってしまったのかもと内心焦る。

でも――――

『いつかね』

そう言って貰えるんじゃないかと少し期待していると――――

「ゴメン……描けないんだ」

鳥羽さんは凄く苦しそうに顔を歪めた。

ドックゥン!!

瞬間、私の心臓も鷲掴みされたみたいにギュッと萎縮して、広がっていた彼への希望の世界が一気に不安に染まっていく。

たくさんある彼の謎のピースが、パチパチと音を立てて嵌っていく気がした。

「あ……ううん!  私こそ知り合ったばかりで図々しいこと言ってごめんなさい!」

今日はもうこれ以上、ここにいない方が良いと思って慌てて立ち上がる。

「帰るね!  また……」

また……会えるかな?

帰ろうとしているのに、次の約束を求めて彼に視線を向けた時――――

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