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白い背中と君の藍
第4章 クリア◇蜜の味
「……?  恵、何かあったのか?」

余りにも様子がおかし過ぎたのか、心配げに聞いてきた。

ヤバイ……
智充先輩、何気に勘が良いんだよね。

それが幸いして気遣い上手な面が、モテる理由の一つになっている。

「いえ、何もないですよ!」

「あぁ〜!?  お前絶対何か隠してるな!  正直に言えよ」

こうやっていつもフォローしてくれて助けられていたけど、今回ばかりは正直には言えない。

もしバレたら

『お前、馬鹿か!!』

絶対説教されるのが目に見えている。

先輩はお兄ちゃんみたいな存在だけど、鳥羽さんのことだけは知られたくなかった。

緊張感が顔に出てしまったか、先輩は思いっきり怪訝な顔になって

「おっ!  黙りかよ。なら今日は強制飲み会だ!」

「はぁ!?  嫌ですよ!  帰ります!!」

『強制飲み会』――――

時たま智充先輩の勝手な一存で開催される、居酒屋オールナイトでの強制告白大会。

次の日は、寝不足と二日酔いで大抵潰れてしまうのだ。

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