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白い背中と君の藍
第4章 クリア◇蜜の味
これ以上先輩と話していると、根ほり葉ほり尋問されてしまう。
何とか逃れようと商品陳列しにレジから離れると
「こら! 逃げる気かよ」
「逃げるも何も仕事中ですよ!」
襟首掴まれそうになった時、タイミング良くお客さんがやってきた。
助かった喜びから、いつも以上に声を張り上げたが現れたお客さんは――――
「いらっしゃいませ〜! ……あ」
――――鳥羽さん!!
そう、彼だった。
「いらっしゃいませ! 恵……」
智充先輩も覚えていたみたいで、襟首を掴もうとした手が私の背中を軽く小突く。
キスしてから三日ぶりだった。
あの日以来、同じ時間帯に川辺を通っても鳥羽さんは居なかったのだ。
凄く会いたかった気持ちにスイッチが入って、風船みたいに嬉しさが膨む。
だけど鳥羽さんは、こっちの方には見向きもしないでお店の奥に向かって行く。
ズッキン……
お客さんと目が合わないことなんて日常茶飯事なのに、鳥羽さんが自分を見ようともしないことに胸の真ん中が痛んだ。
嫌われた?
たった数秒の出来事なのに、崖に突き落とされた気分になった。
何とか逃れようと商品陳列しにレジから離れると
「こら! 逃げる気かよ」
「逃げるも何も仕事中ですよ!」
襟首掴まれそうになった時、タイミング良くお客さんがやってきた。
助かった喜びから、いつも以上に声を張り上げたが現れたお客さんは――――
「いらっしゃいませ〜! ……あ」
――――鳥羽さん!!
そう、彼だった。
「いらっしゃいませ! 恵……」
智充先輩も覚えていたみたいで、襟首を掴もうとした手が私の背中を軽く小突く。
キスしてから三日ぶりだった。
あの日以来、同じ時間帯に川辺を通っても鳥羽さんは居なかったのだ。
凄く会いたかった気持ちにスイッチが入って、風船みたいに嬉しさが膨む。
だけど鳥羽さんは、こっちの方には見向きもしないでお店の奥に向かって行く。
ズッキン……
お客さんと目が合わないことなんて日常茶飯事なのに、鳥羽さんが自分を見ようともしないことに胸の真ん中が痛んだ。
嫌われた?
たった数秒の出来事なのに、崖に突き落とされた気分になった。