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白い背中と君の藍
第1章 インディゴ ◇始まりの空
見た目は好青年な先輩は顔立ちも整っていて、高校時代からモテていた。
フレンドリーで明るい性格だからか、男女共に友達も多い。
私にとっては優しいお兄ちゃんみたいな存在だけど――――
「恋愛話以外なら聞いてやる! 恋するなら俺だけにしとけ〜」
「はいはい! 話も恋もしませんから安心して下さい!」
最近はこんな冗談が増えて良く分からない。
たまにお客さんにも告白されている智充先輩は、二十歳過ぎても恋愛初心者の私にはレベルが高過ぎる。
元より恋愛対象ではなかった。
それを知っているくせに智充先輩は
「こんな優良物件を見逃すなんて、恵はもっと男を見る目を養えよ!」
こうやってちょっと意地悪なことまで言ってくるのだ。
「あぁ〜分かりましたよ! てか先輩、コロッケ揚がってます!」
「本当だ! やべっ!」
長い脚で飛び跳ねながら、先輩はフライヤーに駆け寄った。
苦笑いしながら入り口に面した歩道を通りすがる人をぼんやり見やると、胸の奥に湧き上がってきた虚しさに、小さな痛みを感じる――――。
フレンドリーで明るい性格だからか、男女共に友達も多い。
私にとっては優しいお兄ちゃんみたいな存在だけど――――
「恋愛話以外なら聞いてやる! 恋するなら俺だけにしとけ〜」
「はいはい! 話も恋もしませんから安心して下さい!」
最近はこんな冗談が増えて良く分からない。
たまにお客さんにも告白されている智充先輩は、二十歳過ぎても恋愛初心者の私にはレベルが高過ぎる。
元より恋愛対象ではなかった。
それを知っているくせに智充先輩は
「こんな優良物件を見逃すなんて、恵はもっと男を見る目を養えよ!」
こうやってちょっと意地悪なことまで言ってくるのだ。
「あぁ〜分かりましたよ! てか先輩、コロッケ揚がってます!」
「本当だ! やべっ!」
長い脚で飛び跳ねながら、先輩はフライヤーに駆け寄った。
苦笑いしながら入り口に面した歩道を通りすがる人をぼんやり見やると、胸の奥に湧き上がってきた虚しさに、小さな痛みを感じる――――。