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白い背中と君の藍
第1章 インディゴ ◇始まりの空
突出した取り柄もなく平凡に生きて来た私には、特別な物を持っている人に憧れてしまう傾向があった。
だからって何かしようと思ってして来た訳でもない……
凄く空っぽだ。
私だって先輩みたいに見てくれも良くて自信を持てる物があったら、恋愛に前向きになれますよ〜だ。
劣等感に卑屈になって、内心凹んでしまいそうになったが――――
ふと脳裏に、吸い込まれるような藍色が広がりだす。
「綺麗……だったな」
それこそ恋でもしたかのように――――
ドクドクと鼓動が早くなりだした。
『ども……』
たった一言だけ返されたぶっきら棒な声が、鼓膜を震わすようにリフレインする。
また……会えるかな?
遠目から朧げに見たあの男性の顔が思い浮かび、自然と口元が綻んでいく。
「恵、何一人で笑ってんの? このスケベ!」
「えっ!? なっ、違いますよ!」
コロッケを運んで来た先輩が意地悪く笑っていたから慌てて否定しようとすると、レジにお客さんがやって来た。
出されたお弁当とお茶が視界に入り、レンジで温めるか確認しようと見上げると――――
だからって何かしようと思ってして来た訳でもない……
凄く空っぽだ。
私だって先輩みたいに見てくれも良くて自信を持てる物があったら、恋愛に前向きになれますよ〜だ。
劣等感に卑屈になって、内心凹んでしまいそうになったが――――
ふと脳裏に、吸い込まれるような藍色が広がりだす。
「綺麗……だったな」
それこそ恋でもしたかのように――――
ドクドクと鼓動が早くなりだした。
『ども……』
たった一言だけ返されたぶっきら棒な声が、鼓膜を震わすようにリフレインする。
また……会えるかな?
遠目から朧げに見たあの男性の顔が思い浮かび、自然と口元が綻んでいく。
「恵、何一人で笑ってんの? このスケベ!」
「えっ!? なっ、違いますよ!」
コロッケを運んで来た先輩が意地悪く笑っていたから慌てて否定しようとすると、レジにお客さんがやって来た。
出されたお弁当とお茶が視界に入り、レンジで温めるか確認しようと見上げると――――