この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の刻
第11章 その視線


びくっとして、振り向いたそこには

 
「……待ってよ鈴木さん……!」


本郷くんが、立っていた。


「……何?」


彼を見て、そう聞けば


「どこ行くんですか」


そんなふうに、聞き返される。


「……どこ、って」


真っ直ぐに私に向けられたその視線に、一瞬たじろいだ。


「さっきの人? 来いって?」

「え……」


掴まれた腕。
その力が強くなる。


「あの人、誰ですか」

「……だから知り合いだって────」

「この前の電話の相手ですよね」


私を見つめてくるその目。
強い、視線だった。


「……本郷くんには関係ない」


思わず逸らして呟けば


「関係なくないです」


そんなふうに、返される。
早く先生の元に行きたいのに、そうさせてくれない彼に少し苛立つ。


「……っ、何で────」


腕を振り払おうとしながら、言い掛けたそのときだった。


「俺の気持ち、もう気づいてますよね」


え……? 


彼が言わんとしていることを思い、今──? と、私は困惑する。


どうして、今なの?
ただでさえ先生の言動に頭がいっぱいいっぱいなのに。
これ以上、何か起きたら……私、もう。


「俺……鈴木さんのこと好きです」


けれどもそんな私の思いなんてお構いなしに、彼はとうとうそう……口にした。


「だから行かせたくないです……その人のとこになんて」


掴まれた腕に、さらに力が込められる。


/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ