この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の刻
第12章 切迫


そう……すべては私から。
だから、その苦しさもすべて自業自得だ。
それは確かにそのとおりで、先生のせいにするつもりなんかない。
そのあとはどうしようもなく苦しかったけど、その最中がどうしようもなく幸せだったのは確かなのだから。


「俺はそれを受け入れた……そうだよね?」


そう……その通り。
先生は私の欲情を受け止め、そして私に欲情してくれた。


「俺に欲情した透子ちゃんに興奮したよ。
俺を必死で求めてくるその姿にね」


思い出す。
あのときの自分を。
あんなにも必死だった。
そう……理性が邪魔する今ではとてもできないだろうことを、あのときの私は先生にしたんだ。


「俺は今……欲情してる。
透子ちゃんをこのまま抱きたい」


ぞわり……とその直接的な言葉に鳥肌が、立つ。
ドアについていた先生の左手が静かに動かされ、私の髪に触れた。
そのまますくわれ、左耳にかけられる。


「だから今度は透子ちゃんが」


その露わにされた耳。
先生が背後から唇を寄せた気配。
びく、と身体が反応した。

そして、落とされた囁き。


「そんな俺を……欲しがって」


……瞬間。
ぞくぞくっ、と身体を駆け抜けたその感覚。


「っ……!」


ずるい。
その言葉は、ずるいよ先生────。


それを言われたら私は拒めない。
だって自分がそうしてもらったんだから。
彼女がいるって知ってたのに、それでもいいから、って……そうやって欲情をぶつけて、先生に受け止めてもらって、そうしてあのとき抱いてもらったんだから。


「……あ」


逃げられない。

先生の言葉に。
私の中の、先生を確かに欲している部分に一気に飲み込まれていく。


目をぎゅっと閉じた。


そう……私はまた囚われていくんだ。
こうやって、何ひとつそれらには抗えないままに────。


/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ